ホットにするかアイスにするのか。涼しくなりはじめるこの季節はコーヒーも衣替えの時期。これから湯気の立った温かいコーヒーがだんだんと恋しくなってきます。
まだ半袖の人も多く見受けられる秋の東京・青山で9月26日（土）・27日（日）の２日間にわたり開催された「TOKYO COFFEE FESTIVAL 2015」。全国のコーヒーショップ・ロースターなど延べ50店舗以上が参加した同イベントは、コーヒー通の人で賑わい、お店に並ぶ列は長いところで50人以上にも上りました。
9月27日(日)の参加店舗
AMAMERIA espresso、And Coffee Roasters (ACR)、Antidotechocolate、Bicycle Coffee Tokyo、Bodum、Bread Lab、cafequark+grenier、coffee house とむとむ、double tall coffee、Foret Coffee、glitch coffee、HASAMI、Minimal -Bean to Bar Chocolate-、NAGASAWA COFFEE、naya、NOZY COFFEE、Obscura Coffee Roasters、otomoni coffee、Pas a Pas、Paul Bassett、ROUND TWO RECORDS、Single Origin Roasters、The City Bakery、The Coffee Shop、The Modern Coffee、WOODBERRY COFFEE ROASTERS、Yeti Fazenda COFFEE、キャニスミノール、コルシカ珈琲、ザ・モダンコーヒー、テラコーヒー、ナタ・デ・クリスチアノ、ひらすま書房、もとえ珈琲、珈琲や、珈琲豆イースト
会場では5枚綴の試飲セット（1000円）が販売され、より多くのお店のコーヒーを楽しめるような仕組みに。同イベントのディレクター・大槻佑二さんによれば、参加店舗は自家焙煎のお店のみ。各店が独自に豆を選び、焙煎した、その違いを味わってもらうことで、お客さんにとってもっとコーヒーを身近な存在にしてもらいたいという思いがあるそうです。
今回の注目すべき店舗をいくつかご紹介します。
バリスタ世界チャンピオンの店「Paul Bassett」
大槻さんもバリスタとして働く東京・西新宿のエスプレッソカフェ。2003年度の「ワールドバリスタチャンピオンシップ」で、最年少でチャンピオンになったポール・バセットによるお店です。
“世界一の朝食”を支えるシドニー発祥の名店「Single O Japan」
オーストラリアの人気コーヒーショップ「SingleOrigin Roasters」で働いていた日本人２名を中心に焙煎所を日本に設立。普段は”世界一の朝食”として有名な「bills」のコーヒー豆も焙煎しています。今回は初めて、そのお二人自身が淹れたコーヒーを直接飲むことができる機会ということで、コーヒー通たちが長蛇の列をなしていました。
九州にコーヒーカルチャーを「And Coffee Roasters」
世界各地の豆をゲストビーンズとして提供したり、ゲストバリスタを招いてイベントを開催したり。熊本にいながらにして、全国各地のコーヒーショップ・ロースターと一緒になってコーヒーシーンを盛り上げていく存在。
「TOKYO COFFEE FESTIVAL2015」は大槻さんの現在のコーヒーブームへの危機感から始まりました。サードウェイブコーヒーやブルーボトルコーヒーが話題になり、多くの人がコーヒーに対する興味を持つきっかけになったのはいいものの、そこは熱しやすく冷めやすい日本人のこと。ブームである以上、「コーヒーって流行ってたよね」と言われてしまう日が来るのではないかというのです。
「コーヒーの文化は一過性のものではなくて、もっと生活に根ざしたものだということを、もっともっと知って欲しくて。一番それを伝えるのにわかりやすい手段だと思ったのがフェスでした。会場では目の前でコーヒーを淹れてくれるから、この手順でこの器具でコーヒーを淹れればこういう味になるだっていうことがわかる。それをお店の人から直接教えてもらえる機会だし、気に入ったら豆を買って帰って、家で試して欲しいです」（大槻さん）
実際に、会場でいくつかの店舗のコーヒーを飲み比べして、その味の違いに「ここまで違うのか」と驚きました。違いが、そして深さがわかるほどに面白くなるコーヒーの世界。まだ来年の開催は未定とのことですが、来るべきときに備えて、みなさんもコーヒーの世界にもう一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか？
Originally published at theworldelements.com.